GEKKAN-WIEN ウィーン日誌

平成元年創刊 ウィーン現地オリジナル取材と編集「月刊ウィーン GEKKAN-WIEN 」編集長が綴る

カルメン

 誰がどう歌おうとビゼー「カルメン」は人気オペラなのでチケット入手は原則的に難しいのだが、今回はタイトルロールをヴェッセリーナ・カサロヴァ Vesselina Kasarova 、ドン・ホセ役ホセ・クーラ José Cura、ミカエラ役ゲニア・キューマイアー Genia Kühmeier 、エスカミーリョ役イルデブランド・ダルカンジェロ Ildebrando D'Arcangelo という豪華歌手陣だから即完売は当然といえる。指揮は病気のルイゾッティに代わりアッシャー・フィッシュ Asher Fisch がつとめている。カサロヴァとダルカンジェロは役デビュー、フィッシュもカルメン・デビューである。この日はORFラジオで生中継された。カサロヴァのカルメンは非常に個性的だ。ダルカンジェロは小粒になってしまっている。キューマイアーが光っていた。3月4日と8日にも公演があり、これで今シーズン最後となる。

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女性に関するタブーな話題

 女性の下半身の健康について記者会見があった。人前で語ることがタブー視されている女性のデリケートな部分は、女性の3人に1人がトラブルを抱えいるといわれ、プールやサウナで細菌に感染するおそれもある。その予防や治療、日常生活での注意などについて専門家の説明があった。記者会見も終わりごろ突然、世紀末ウィーンの伝説的高級娼婦ヨゼフィーネ・ムッツェンバウアーに扮した女優さんが、その道の専門家として女性の心得を説いてまわり、女性ジャーナリストたちが出席する会場は爆笑に包まれた。
記者会見後は女性の観光ガイドさんが「エロチックな街の散歩」に誘ってくれた。

写真上:王宮前ミヒャエル広場の古代ローマ遺跡。ここで発掘された物の中に、春を売る商売があったことを実証するコインが見つかっている。コールマルクトやグラーベンは今や高級店が並ぶノーブルな通りだが、かつては怪しげなホテルとして利用されていたカフェもあり、世紀末当時は高級娼婦たちの営業圏内だった。マリア・テレジアに仕えた某貴族は今も銅像として残るほどの歴史上著名な政治家であるが、実は最近、児童に対する性的虐待の疑いがかけられている。

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バルツァのリーダーアーベント延期

 テアター・アン・デア・ヴィーン Theater an der Wien で 3月28日に予定されていた宮廷歌手アグネス・バルツァ KS Agnes Baltza のリーダーアーベント「ギリシャの歌曲」が、歌手病気のため、4月28日に延期された。

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スウェーデン首相

 スウェーデンのフレーデリック・ラインフェルト Fredrik Reinfeldt 首相がウィーンの首相府を訪ね、欧州における金融問題、経済安定化、国際犯罪などについてファイマン首相と会談した。スウェーデンは今年後半のEU議長国である。

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日本室内管弦楽団

 ウィーン在住の日本人音楽家と音楽学生有志が中心となって結成された日本室内管弦楽団 Kammer Orchester Japan の第2回演奏会が行なわれた(2月11日付ブログ参照)。詳細は月刊ウィーン4月号に掲載予定。
         ↑コンサートマスターは榎本麻衣子 Maiko Enomoto さん
拍手喝采と花束を受けた首席チェロ奏者の吉井健太郎さんと指揮者の瀬山智博さん

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パッシヴハウス

 こんなに寒いウィーンでも暖房なしでしかも快適に過ごせるパッシヴハウス Passivhaus が学生寮などを中心にどんどん建てられている。写真は左から、オーストリア・パッシヴハウス会長ギュンター・ラング Günter Lang 、ウィーン市住宅建築委員会ミヒャエル・ルートヴィッヒ Michael Ludwig 、パッシヴハウス産みの親ヴォルフガング・ファイスト Wolfgang Feist 教授

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国連麻薬統制委員会の報告書

 INCB(国連麻薬統制委員会 International Narcotics Control Board)の年次報告「INCB報告2008」が発表された。麻薬統制システムは国際アヘン委員会によって1909年上海で創設され、今年100年を迎える。写真は報告書の概要を説明するハミド・ゴーゼ Hamid Ghodse 会長

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オーパンバル交通規制

 オーパンバル Opernball (オペラ座舞踏会)を明日に控え、シュターツオーパーは昨日から会場作りに専念しているため昨日今日と2日連続休演している。明日は反対デモに備えて警備が強化され、19時頃からシュターツオーパー周辺が立ち入り禁止となる。リング通りはオペラ座周辺が19時頃から22時半頃まで閉鎖。地下鉄のオペラ座側出口も19時頃から閉鎖される。オペラ座前に停留所のある路面電車1、2、D、62、バス59A、3Aも運行区間が制限され、オペラ座前までは乗り入れない。立ち入り禁止地域内に住んでいる人や舞踏会参加者、ジャーナリストなどはもちろん中に入ることが出来るが、そうでない場合は罰金360オイロ。シュヴァルツェンベルク広場とリング通りの交差する箇所では車両検問が行なわれる。

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睡眠障害

 オーストリア・ジャーナリストクラブで今日『健康な睡眠 市民運動 Initiative Gesunder Schlaf 』の記者会見があった。グラーツのマンフレート・ヴァルツル Manfred Walzl 博士によれば、睡眠障害は現在88種の症状が認められており、オーストリア国民の3分の1以上が症状を訴えているという。交通事故死亡の24%以上、交通事故の3件に1件が睡眠障害によりひきおこされ、睡眠障害は交通事故と労災のリスク要因第1位であると述べた。ウィーンの女医さんで『健康的睡眠 市民運動』のリーダーを務めるミヒャエラ・トゥルンカ Michaela Trnka 博士によると、血液中のメラトニン(睡眠ホルモン)の値が55歳頃になるとぐっと減り、睡眠障害も14歳~30歳で13%が、50歳以上では45%に跳ね上がるという。ウィーンの医師ヴァルター・プライアー Walter Pleyer 博士はメラトニン療法のいくつかの成功例を語った。
 簡単なアンケート12項目 該当項目が少ないほど睡眠障害の可能性は高い
1.毎日規則的に7~8時間寝る 2.寝室は静かで暗く通気がよい 3.30分以内に寝入る 4.夜中に起きることはめったになく、あったとしてもすぐまた寝られる 5.夜寝る前は疲れている 6.目覚めがよい 7.日中はずっと眠くなく仕事が出来る 8.睡眠の習慣が変っていない 9.充分寝たと感じる 10.睡眠と目覚めの時間が自分の体内時計に一致している 11.眠りが深く穏やかで癒される 12.自分は楽観的で実行力があり集中力もある

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ICEUR

 EUとロシアの学術的、政治的、国際的な当面課題を共同研究するため、本部をウィーンに置く ICEUR International Center for Advanced and Comparative EU-Russia/NIS Research が立ち上げられた。
写真上左からエアハルト・ブセック Erhard Busek (ICEUR会長)/アレクセイ・マラシェンコ Alexej Malaschenko (カーネギー財団モスクワ・センター)/ルスラン・グリンベルグ Ruslan Grinberg (ロシア科学アカデミー経済学研究所所長)/ウラディミル・ポズネル Vladimir Pozner (ロシア・テレヴィジョン・アカデミー会長)
写真下アレクサンドル・レベデフ Alexander Lebedew (グローバル開発国際研究所会長)

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クロアチア首相

 クロアチア共和国イーヴォ・サナデル Ivo Sanader 首相がウィーンを訪問、オーストリアのヴェルナー・ファイマン Werner Faymann 首相と両国経済やクロアチアEU加盟などについて会談した。

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インスブルック大学卒のサナデル首相  月刊ウィーン・デビューのファイマン首相

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ビオ・コスメ

 雪がたまにちらつくウィーンをあとにアウトバーンを西に向かって1時間、州境を越えてニーダーエスタライヒ州オーバー・グラーフェンドルフのハーブの庭6番地に認定ビオ(無農薬)のコスメを製造する歴代家族経営のスティックス自然化粧品 Styx Naturcosmetic GmbH 社を訪ねた。敷地内の一角にある博物館でヴォルフガング・スティックス Wolfgang Stix 社長の説明を受け、社長自らのガイドで複数の製造棟や倉庫など施設見学を行なった。ハーブなどビオ原料の75%はオーストリア国内、残りは国内では栽培が難しいものでブルガリア(バラ)などから輸入している。オーストリアも経済危機の影響下にあるがスティック社は輸出が70%を占め事業は好調である。世界37カ国に代理店をもち、特にロシア、韓国、台湾などで人気上昇中。同社の製品はパラフィン、ワセリン、シリコンなどのオイルや合成香料、合成色素、遺伝子操作原料は一切使わず、動物実験も行なっていない。原料は無農薬栽培あるいは自然生育の全て自然由来のもので、添加物も自然材料、保存料はオーストリア食品保存料として認可されているものだけを使用している。
敷地内の建物1階は直営ショップ、地下に博物館   ヴォルフガング・スティックス社長
この地方の民俗衣装を着た社員たち   スティックス家は1915年からクリームを製造
社長の案内で製造過程を見学するオーストリア・ジャーナリストクラブÖJC会員

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レオポルト美術館

 博物館地区MQにある白いビルレオポルト美術館 Leopold Museum で明日から特別展「エルンスト・バルラッハ Ernst Barlach とケーテ・コルヴィッツ Käthe Kollwitz 」が始まる。
レオポルト美術館は私立財団 キューレーターはルードルフ・レオポルトRudolf Leopold 館長

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MUMOK

 博物館地区MQにある黒いビルMUMOKU Museum Moderner Kunst Stiftung Ludwig Wienで明日から特別展「マリア・ラスニック Maria Lassnig 」が始まる。マリア・ラスニック(90歳)はオーストリアを代表する画家。
記者会見でマリア・ラスニックの絵画を背にキューレーター

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アンゲラ・デノケ

 ドイツのソプラノ歌手アンゲラ・デノケ Angela Denoke が今日シュターツオーパーで、オーストリア宮廷歌手 Österreichische Kammersängerin の称号を授与された。写真は左からイオアン・ホレンダー Ioan Holender 支配人、アンゲラ・デノケ、クラウディア・シュミット Claudia Schmied 文部芸術文化大臣、小澤征爾 Seiji Ozawa 音楽監督

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サロメ

 リヒャルト・シュトラウスのオペラ「サロメ」のタイトルロールをアンゲラ・デノケ Angela Denoke が歌い、シュターツオーパーで役デビューした。舞台美術と衣装がクリムトの絵画を髣髴とさせ、たいへんウィーン的である。次の公演は2月14日で今シーズン最後となる。

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アルフォンス・ムハ展

 ベルヴェデーレ下宮で明日から特別展「アルフォンス・ムハ Alfons Mucha 」が始まる。日本では「ミュシャ」と呼ばれることが多いが、これはフランス語読み。彼はフランス人ではない。1860年オーストリア帝国下の南モラヴィアで生まれたチェコ人である。ブルノのギムナジウムを出てから、ウィーンでリング劇場の舞台美術を手がけていたが、劇場が火災に遭い失業したため、帰郷。その後パリに学び、仕事が成功した後、人生の後半を国民意識を高める仕事に捧げたいとして、1910年にプラハに戻り≪スラヴ叙事詩≫の制作に取り掛かる。1928年、20点の歴史絵画より成る≪スラヴ叙事詩≫をチェコ国民とプラハ市に寄贈。1939年ナチスドイツの進攻により、ムハもゲシュタポに逮捕され、釈放後まもなく亡くなった。

≪スラヴ叙事詩≫前で写真を撮るムハの孫   吹雪の今日ベルヴェデーレ下宮より上宮を望む
ボスニア・ヘルツェゴヴィナのアレゴリー 1900年 プラハ装飾美術館所蔵

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日本室内管弦楽団

 日本室内管弦楽団 Kammer Orchester Japan の第2回公演「弦楽の夕べ」が2月20日(金)19時半、ウィーン3区の区役所内「フェストザール」で開催される。同楽団は昨年7月に旗揚げした在ウィーン日本人若手演奏家と音楽留学生による室内オーケストラで、今回はウィーン交響楽団首席チェロ奏者の吉井健太郎 Kentaro Yoshii さんを招き、瀬山智博 Tomohiro Seyama さん(写真)の指揮で、グリーグ(ホルベルク組曲op.40)、武満徹(弦楽レクイエム)、ドヴォジャーク(弦楽セレナーデ)を演奏する。入場無料。
Festsaal des Amthauses Wien 3. Karl-Borromäus-Platz 3 地下鉄U3 Rochsgasse 徒歩5分

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スティッフェリオ

 今晩のシュターツオーパーのヴェルディ「スティッフェリオ」はタイトルロールをホセ・クーラ Jose Cura 、リナ役をフイ・ヘ Hui He が歌った。スランカー役のアンソニー・マイケルズ=ムーアは声が出ず演技のみで「口パク」。代りにマーク・ラッカー Mark Rucker が歌い大喝采を受けた。

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松川孝子さんのアトリエ

 オーストリア芸術家協会の会員でウィーン在住のアーチスト松川孝子 Takako Matsukawa さんのアトリエにうかがった。月刊ウィーンでは今年ウィーンで展覧会を開く日本人女性アーチストを紹介することになり、最初の取材先が、ウィーン在住34年の松川さんとなった。詳しくは月刊ウィーン紙上で。

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仮面舞踏会

 シュターツオーパーのヴェルディ「仮面舞踏会」でウィーンデビューを果した米国出身のソプラノのインドラ・トーマス IndraThomas 。同じく米国出身で、ピンチヒッターで登場したテノールのフランコ・ファリーナ Franco Farina

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応用美術館MAK

 オーストリア応用美術館 MAK Österreichisches Museum für angewandte Kunst で2009年展覧会プログラム発表のプレス朝食会があった。日本関連では4月半ばからMAK所蔵の明治時代コレクションを展示する「MEIJI」もある。MAK展覧会プログラムは今後もそのつど月刊ウィーンで紹介していく。
写真左は記者会見で発表する館長のペーター・ノエヴァー Peter Noeverさん
写真右はMAK受付(Weiskirchnerstrasse側の入口)で働くエダー明子 Akiko Eder さん
明子さんはウィーンの著名な合唱団「ヴィーナー・ジングフェライン」に属し、楽友協会を中心に演奏活動も活発に行なっている。4月5日と12日はザルツブルクでベルリン・フィル/フランツ・ヴェルザー=メスト指揮によるモーツァルト「レクイエム」のコンサートに出演、10月には大阪への演奏旅行も控えている。

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月刊ウィーン2月号

月刊ウィーン2009年2月号
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1頁 表紙 ジョルジョーネ「三人の哲学者」1506年頃 美術史博物館所蔵
  ジョルジョーネのこの絵のテーマは今もなお謎である。この三人は一体誰なのか。
  特定の哲学者なのだろうか。男が持っている道具からして天文学者かも知れない。
  それとも、ベツレヘムに向かう東方三賢人か。あるいは、青年、中年、老年という
  人生のアレゴリーなのか。もしかしたら、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教という
  世界三大宗教を暗示しているのかも知れない。この絵でジョルジョーネは宗教間の
寛容を表明したかったのではないか。
2頁 近藤常恭のウィーン・ア・ラ・カルト「ヘリングスシュマウス」
3頁 杉本純の原子力の話「地球に優しい原子力発電(3)」
4頁 楽友協会/コンツェルトハウスのコンサートプログラム
5頁 シュターツオーパー/フォルクスオーパー/その他の劇場プログラム
6頁 地下鉄路線図/旧市街地図/名店案内
7頁 写真特集:美術史博物館の特別展「古典期の神話から」
8頁 須永恒雄「ブルックナーの時代から見たハイドン」/教会音楽
9頁 イヴェント/日本語ツアー/日本語ガイド定期ツアー/日系飲食店などの案内
10頁 美術館/博物館案内
11頁 河野純一のウィーン知らなくてもいい話「石炭の運び屋」
12頁 レポート:プッチーニ生誕150年/バレンボイム/美術史博物館/欧州とアラブ

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マノン・レスコー

 シュターツオーパーのプッチーニ「マノン・レスコー」でタイトルロールを歌うノルマ・ファンティーニ Norma Fantini が光っている。相手役の宮廷歌手ニール・シコフ Neil Shicoff もたじたじの熱演ぶりだ。パオロ・カリニャーニ Paolo Carignani の指揮も冴えている。2月5日の公演が今シーズン最後となる。

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