GEKKAN-WIEN ウィーン日誌

平成元年創刊 ウィーン現地オリジナル取材と編集「月刊ウィーン GEKKAN-WIEN 」編集長が綴る

訃報:ココロのシェフ

 ウィーンのグローバル・ビストロ「ココロ kokoro 」のオーナーシェフ、ヨーゼフ・ハウスベルガー Joseph Hausberger さんが急死し、今日ウィーンのキリスト教プロテスタント系墓地で埋葬が執り行われた。突然の余りにも早すぎる彼の死に、家族はもとより友人や関係者は大きなショックを受けている。9月17日の夜も遅くまで働き、いつもの美味しい食事をお客に提供したその日の夜中、心臓発作に襲われたという。ハウスベルガーさんはチロルのアルプバッハ出身で、豪華客船やデラックスホテルでコックとしてキャリアを積み、韓国のホテル・ヒルトンで働いていた時に韓国人スチュワーデスのソーク Sook さんと出会い、結婚。食事が美味しいことで有名な日本のホテルでは部下総勢200名を従えた総調理長を務め、世界の政治家や有名人のみならずハウスベルガーさんの創作を味わった人は数知れない。自分の店を持ちたいという願いをウィーンで見つけ、シュテファン大聖堂から歩いて数分のところに「ココロ(心)」を開店。その名のとおり、心を込めて、日曜祭日を除く毎日夫が朝のマーケットで食材を選び調理し妻がサービスする家族経営を続けていた。フレンチを基礎に、時には韓国や日本などのエスニックを加え、高級レストランの味が家庭的な雰囲気のもとリーズナブルな値段で味わえるとあって、ウィーン人はもとより日本人や韓国人など在留外国人やツーリストにも人気のウィーンの穴場的レストランだった。世界を駆け巡ってキャリアを積み、最後は母国語の通じる故郷に自分の店を持って、自分の好きなように運営したいというひとつの念願を叶え、店を軌道に乗せ、更に進もうとしているその矢先での突然死だった。心から哀悼の意を表したい。
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